日本地震予知学会設立について(趣意)

この度、日本地震予知学会(一般社団法人)を設立することとなりました。以下に本学会が目指すものなどを記します。多数の皆様のご参加をお願いする次第です。

日本地震予知学会の目指すところ

日本地震予知学会では、実用的及び学術的な側面から以下の事項の推進を目指します。

第1は、地震に関連する災害の最小化という社会のニーズに答えるため、地震に先行する現象を用いた科学的アプローチによる実践的かつ精度の高い予知方法の確立をめざします。

第2は、学術的な課題として地震に先行する現象の包括的理解と発生機構の解明を行うことです。学術研究により得られた知見は、国内はもとより国際社会へ広く提供し、地震予知研究の活性化を促すとともに、予知精度の改良に貢献します。

第3は、地震予知、地震先行現象に関する啓発を行うとともに、未来を担う人材の育成を推進します。

社会に対する影響の大きさを鑑み、学会員は高い倫理観を持って諸活動を遂行することが求められます。

地震の短期予知の重要性

地震の予知は一般的に、地震が発生するまでの時間的な長さにより、長期、中期予測、短期予知の3つに分類されます。長期予測および中期予測は、その発生時期(先行現象から地震発生までの時間)により、それぞれ数10年〜数百年、数年〜数10年に対応しています。一方短期予知は、1か月〜数日程度を指しています。

このうち短期予知の重要性はとりわけ注目されます。何故なら、短期予知は地震発生までの猶予時間からして、防災、減災の観点から最も直接的効果が期待されるからです。また、重要インフラや国民の警戒体制が短期間で済み、警報発布による社会的負担を低く抑えることができると考えられます。もとより、長中期予測との連携によりその意義は著しく増大することは言うまでもありません。

地震予知研究の経過と将来

我が国における地震予知に関する研究は永きにわたり、本震前の力学的先行現象の検出に重点が置かれてきましたが、大規模災害を引き起こした平成7年(1995年)兵庫県南部地震に続き平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震においても残念ながら予知は成功していません。

一方、おおよそ20年前から始まった比較的新しい試みである地震電磁気現象は地震予知にとって重要な物理現象であることがわかり、更に上層大気(電離圏)までもその影響が及ぶことも知られてきました。これらの電磁気現象は、地震までの予兆期間が一か月から数日以内と、短期地震予知に有効な手法であると考えられうる多数の知見が国内外から集積され続けていますが、これらの電磁気現象発生の物理機構は仮説の段階であり、かつ多くの謎につつまれています。しかも、観測手法は地上観測のみならず、人工衛星観測にも及んでいます。このように、地震予知は極めて学際的な研究対象であることから、多くの分野の研究者間での協力によってのみ解明されると考えられます。力学的先行現象、電磁気先行現象などのみならず、動物の異常行動などの多種多様な宏観異常現象などをも包括的に論ずることが求められています。

日本地震予知学会の設立時宜

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震に伴う大規模災害以降、国内では次なる大規模地震の発生場所や発生時期に関して、関心が高まっています。その中でも近い将来発生するであろうと指摘される関東直下、東海地震及び東南海、南海地震は、ひとたび発生するとその被害は甚大とされています。この猶予ならない現状を踏まえ、現在まだ研究途上にある各種先行現象を用いて地震予知手法の確立を目指し、学際的に英知を結集し、地震予知にむけた研究活動の推進のため本学会を設立するものです。

日本地震予知学会の役割

本学会の役割は、以下の事項の実施です。

(a)地震先行現象に関する学術研究

  • 地震先行現象の総合的な解明
  • 分野を超えた包括的な共同研究
  • 国際共同研究の推進

(b)地震先行現象に基づく実践的予知方法の開発

(c)地震予知情報と社会との関わりの研究

  • 予知精度の評価方法と予知情報の社会への発信のあり方の研究
  • 予知情報と防災・減災活動との係わりに関する研究

(d)地震予知に関する社会啓発

  • 定期研究発表会の実施(毎年1〜2回程度)
  • 地震短期予知に関連する研究会等への後援
  • 国際社会に広く学術的な知見を公表するための英語論文の特集号の発行(複数年に1回程度)
  • 会員による、学術機関、学校等での講演会やセミナーの実施