書籍等紹介

洋書:Earthquake Precursors in the Atmosphere and Ionosphere; New Concepts
著者:Sergey Pulinets, Dimitar Ouzounov, Alexander Karelin , Kyrill Boyarchuk
https://link.springer.com/book/10.1007/978-94-024-2172-9 (2022年12月)
 本書は、活断層近傍で地殻からラドンやその他のガスの放出が増加すると、強い地震が発生する数日~数時間前に、地震域の大気境界層や地球の電離層で物理過程や化学反応の連鎖が起こることを論じています。このメカニズムに関わる2つの主要な概念、すなわち大気の電離と地球電気回路を紹介する。岩石大気電離層結合(LAIC)の概念は、2004年スマトラ沖地震、2008年中国四川沖地震、2011年東北沖地震、2015年ネパール沖地震などの最近の主要地震における大気および電離層の前兆を示す実験データによって強く支持されています。
 本書では、理論的な考察だけでなく、宇宙を利用した前兆観測に用いられる実験技術に関する情報も含まれています。前兆現象の同定と解釈の実践的な方法を提供する本書は、地球物理学、地震科学、大気物理学、リモートセンシングの大学院の講義に最適な教科書です。さらに、自然災害の軽減、対応、復旧の分野で活躍する科学者や政府機関、国際機関の専門家にとっても、豊富な情報を提供しています。
長尾年恭著『巨大地震列島
ビジネス社 (2022年9月)
 本書は地震予知に特化した本ではありません。文系の方にも易しくお読み頂ける地震防災・減災の啓発本です。関東大震災時の津波の話ですとか、墨田区の被服廠跡での焼死の原因について、従来は火災旋風が原因という事になっていましたが、火災旋風は結果であり、その真の原因は、地下に存在するメタンガスであった可能性が高いという事が最近明らかとなりました。さらに、地震雲やリュウグウノツカイ等のいわゆる宏観異常現象が科学的にはどう評価されているかといった事についても取り上げています。

織原義明・長尾年恭著『地震前兆現象を科学する
祥伝社(2015年12月)
Earthquake Prediction Studies : Seismo Electromagnetics
Edited by Masashi Hayakawa
TERRAPUB, Tokyo, Japan
ISBN No.: 978-4-88704-163-9(2013)
地震予知研究の最前線 : 地震予知学・耐震工学・地震学の融和をめざして
監修:早川正士
日本専門図書出版
ISBN:978-4-931507-16-6(2012発行)